“鼕々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とうとう73.7%
とう/\26.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鼕々とうとうと、無敵をほこる藤田隊の押太鼓は、信孝の身辺をむらがり守る騎馬の士たちの足なみをも、しどろに乱しておびやかした。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くさくさの式も首尾好く終って鼕々とうとうと打鳴らす太鼓の音を合図に、暗黒世界は忽ち光明世界に急変するのであった。
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
そして悉くが雪に封じ込められた、渾沌とした靜寂の中に、杉山から引いた桶の水ばかりが、鼕々とう/\と云つた音を立てゝは落ちてゐた。
奇病患者 (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
みゝかたむけると、何處いづくともなく鼕々とう/\なみおときこゆるのは、この削壁かべそとは、怒濤どとう逆卷さかま荒海あらうみで、此處こゝたしか海底かいてい數十すうじふしやくそこであらう。