“鴫沢”の読み方と例文
旧字:鴫澤
読み方割合
しぎさわ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼が鴫沢しぎさわの家に在りける日宮を恋ひて、その優き声と、やはらかき手と、温き心とを得たりし彼の満足は、何等のたのしみをも以外に求むる事を忘れしめき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
前掲ぜんけいの萩の茶屋に住んでいる老婦人というのは鴫沢しぎさわてるといい生田いくた流の勾当こうとうで晩年の春琴と温井検校に親しく仕えた人であるがこの勾当の話を聞くに
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
婆は鴫沢しぎさわの前にその趣を述べて、投棄てられし名刺を返さんとすれば、手を後様うしろさまつかねたるままに受取らで、ひておもてやはらぐるも苦しげに見えぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)