“鳥打帽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とりうちぼう83.8%
ハンチング8.1%
とりうちばう2.7%
ハンティング2.7%
とりうち2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「山西じゃないか」と、横合よこあいから声をかけた者があった。わかい男は耳なれた声を聞いて足を止めた。鳥打帽とりうちぼうた小柄な男が立っていた。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「それではお前に尋ねるが、リンネルの背広に鳥打帽ハンチングを冠むり、支那竹のケンを携えた三十七八の紳士が今日、お前の所へ来られた筈だが?」
闘牛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
けれども、ふゆ鳥打帽とりうちばうかむつた久留米絣くるめがすり小僧こぞうの、四顧しこ人影ひとかげなき日盛ひざかりを、一人ひとりくもみねかうして勇氣ゆうきは、いまあいする。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
雀はみな 鳥打帽ハンティングをきてゐる
山果集 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
苦い顔をして階段はしごあがつて、懐手をした儘耳をそばだてて見たが、森閑として居る。右の手を出して、垢着いた毛糸の首巻と毛羅紗けラシヤ鳥打帽とりうちを打釘に懸けて、其手でドアを開けて急がしく編輯局を見廻した。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)