“飲食”のいろいろな読み方と例文
旧字:飮食
読み方割合
のみくい37.5%
おんじき33.3%
いんしょく10.4%
のみくひ6.3%
のみく6.3%
いんしよく2.1%
をしもの2.1%
をんじき2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ガルールはもう飲食のみくいどころではなかった。彼は眼を細めて、遠い、太陽と夢幻の国へ航海する光景を、恍惚うっとりと夢見ているのであった。
合手して身を虎の前に投じ母虎これを食うて母子ともにくるを得た、王夫人の使飲食おんじきを齎し翌日来ってこの事を聞き走り帰って王に報じ
家人かじんのようすにいくばくか不快ふかいいだいた使いの人らも、お政の苦衷くちゅうには同情どうじょうしたものか、こころよく飲食いんしょくして早そうにった。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
向うの広間に置いた幾つもの衝立ついたての蔭に飲食のみくひしてゐる、幾組もの客を見渡しつゝ、お文はさも快ささうに、のんびりとして言つた。
鱧の皮 (新字旧仮名) / 上司小剣(著)
卓はほとんどみなふさがっていて、湯気と煙草のけむりがもやもやしているなかで、真っ赤な顔が盛んに飲食のみくいしていた。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
声色せいしよく飲食いんしよくは、その美なるをこのまず、第宅ていたく器物きぶつはその奇なるを要せず、あれば則ちあるにしたがひてこれを楽しみ、無くば則ち無きにまかせて晏如あんじよたり。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十二月庚午かのえうまついたち、皇太子片岡に遊行いでます。時に飢ゑたるひと道のほとりせり。りて姓名かばねなを問ひたまふ。而してまをさず。皇太子飲食をしものを与へたまふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
かくて一昼夜にして始めて呻吟うめきの声きこゆ。その後は飲食をんじき共にやうやう匕もてあてがひ、かくすること半年、竟に愈えぬ。
『聊斎志異』より (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)