“飜々”のいろいろな読み方と例文
新字:翻々
読み方割合
ひらひら57.1%
はらはら14.3%
ひら/\7.1%
へんぺん7.1%
ほんぽん7.1%
ほん/\7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白熱した日盛ひざかりに、よくも羽が焦げないと思う、白い蝶々の、不意にスッと来て、飜々ひらひらと擦違うのを、吃驚びっくりした顔をして見送って
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なお且つ飜々はらはらとふるいながら、飛退とびのくように、滝の下行く桟道の橋に退いた。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
陽炎かげらふは、しかく、村里むらざと町家まちやる、あやしき蜘蛛くもみだれた、幻影まぼろしのやうなものではく、あだか練絹ねりぎぬいたやうで、てふ/\のふわ/\と呼吸いきが、そのはねなりに飜々ひら/\ひろがる風情ふぜい
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
出島は年来和蘭人の居留地で、欧洲兵乱の影響も日本には及ばずして、出島の国旗は常に百尺竿頭ひゃくしゃくかんとう飜々へんぺんして和蘭王国はかつて滅亡したることなしと、今でも和蘭人がほこって居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かまは音をたてて最高度まで焔をあげ夜はほのぼのと明けかけて来た。紅蓮地獄ぐれんじごくにふさわしい漆紅葉うるしもみじの真っ赤なのが、峰から降り、かまあおられて、飜々ほんぽんと空に舞い迷う。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……いはほそうは一まいづゝ、おごそかなる、神将しんしやうよろひであつた、つゝしんでおもふに、色気いろけある女人によにんにして、わる絹手巾きぬはんかちでもねぢらうものなら、たゞ飜々ほん/\してぶであらう。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)