“風笛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふうてき50.0%
サイレン50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
中央にあった風笛ふうてきの吹奏者は、周囲で戦友らが殲滅せんめつされる間に、故郷の森や湖水を思い浮かべた憂鬱ゆううつな目を呆然ぼうぜんとして伏せ、太鼓の上に腰をかけ、腕に風笛をかかえ、故郷の山間の歌を奏していた。
風笛サイレンのやうに凄じい音もたてかねまじき勢ひで程好い重味を持つた振子は、鮮かに地をかすめたかと見ると、忽ちまりのやうに中空に浮びあがつた。
海棠の家 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)