“頭被”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かつぎ28.6%
コワツフ14.3%
タアバン14.3%
タバアン14.3%
ターバン14.3%
ヴエイル14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人間というやつは、昔々から、生れついた生地きじの顔を、人前にさらすことを、ひどくはにかむ傾向がある。日本では頭被かつぎ編笠あみがさ頭巾ずきんの類が、その時々の人間の顔を隠してきた。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
書き取らせてゐる方——大きな頭被コワツフをしてる女——は何か思ひつかうとするやうに、顏を擧げた。あゝ! 其の女は年寄りだ、非常な年寄りだ。
顳顬こめかみの上の、頭に捲きつけた黒い布の頭被タアバンの襞の眞中には、質も密度も雲のやうにさだかならぬ、白い焔の環が、一際もの凄い青光を放つ火花ひばなちりばめて、光り輝いてゐる。
この水盤の傍に絨毯じゆうたんを敷いて坐つてゐるのは、肩掛を※ひ、頭には頭被タバアンを被つたロチスター氏であつた。彼の黒い眼と淺黒い顏の色と囘教徒フイ/\けうとのやうな顏立かほだちとが、その衣裳にしつくり合つてゐた。
頭被ターバン、綿布、Maharajahマハラジァ の国だ。僕は、象に乗り蛇使いスネークチャーマーを見、Lingamリンガム の、散在する印度教寺院を見歩いた。しかし、そのバトナやカルカッタにはなんの物語もない。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
まだ互に眞面目まじめ臭つたやうな話を續けてゐて、お互ひに二つの頭被ヴエイルをうなづかせ合ひ、まるで大きなでく人形の一對か何ぞのやうに、次々と話す噂話ゴシップに從つて、お互に驚きだの、不可解だの