“頬被”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほおかぶ25.4%
ほおかぶり25.4%
ほおかむ13.4%
ほゝかぶり10.4%
ほおかむり9.0%
ほっかぶ3.0%
ほっかむ3.0%
ほゝかむ3.0%
ほうかぶ1.5%
ほうかむ1.5%
ほうかむり1.5%
ほほかぶり1.5%
ほゝかぶ1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
頬被ほおかぶりもよせ。この世の中に生きて行くためには。ところで、めくら草紙だが、晦渋かいじゅうではあるけれども、一つの頂点、傑作の相貌を具えていた。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
なだれに帯板へ下りようとする角の処で、頬被ほおかぶりした半纏着はんてんぎが一人、右側のひさしが下った小家の軒下暗い中から、ひたひたと草履で出た。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
袖垣そでがきのあたりの萩叢はぎむらを割って、ぬうッと、誰やら頬被ほおかむりをした男の影が、中腰に立ち、こなたの書院の明りに、顔をさらして見せた。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此處こゝ筒袖つゝそで片手かたてゆつたりとふところに、左手ゆんで山牛蒡やまごばうひつさげて、頬被ほゝかぶりしたる六十ばかりの親仁おやぢ、ぶらりと來懸きかゝるにみちふことよろしくあり。
城の石垣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(座敷は二階かい、)と突然いきなり頬被ほおかむりを取って上ろうとすると、風立つのであかりを置かない。真暗まっくらだからちょっと待って、と色めいてざわつき出す。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
清「これもっと此方こっちあかりを出せ、あゝ熱いな、頭の上へ裸蝋燭を出す奴があるかえ、行灯あんどん其方そっち片附かたしちめえ、此の野郎頬被ほっかぶりいしやアがって、何処どこからへいった」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
違う、提灯が動かない霧にすわったままの趣ながら、しずかにやや此方へ近づいたと思うと、もう違うも違いすぎた——そんな、古蓑で頬被ほっかむりをした親爺には似てもつかぬ。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
八五郎はブラサゲた手拭を早速頬被ほゝかむりにしました。ガラツ八相應の變裝術へんさうじゆつです。
あわてゝ手探りに枕元にある小さな鋼鉄くろがね如意にょいを取ってすかして見ると、判然はっきりは分りませんが、頬被ほうかぶりをした奴が上へしかゝっている様子。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
今多助が藁草履を穿き、すた/\やって来る跡から、ピタ/\冷飯草履を穿き、半合羽に小さいお太刀たちを差し手拭で頬被ほうかむりをし、草履穿で、田舎帰りというこしらえの男が、多助の傍へ寄り
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ひらくでもなしに、弁当べんたう熟々つく/″\ると、彼処あすこの、あの上包うはつゝみゑがいた、ばら/\あし澪標みをつくし小舟こぶねみよしにかんてらをともして、頬被ほうかむりしたおぢいあささまを、ぼやりと一絵具ゑのぐあはいてゑがいたのが
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
裾端折り、頬被ほほかぶりして、男——とあられもない姿。ちらりとでも、人目に触れて、貴女は、と一言聞くが最後よ、活きてはいられない大事の瀬戸。からく乗切ってく先は……まことの親の死目である。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
や、笑顔ゑがほおもふては、地韜ぢだんだんでこらへても小家こやへはられぬ。あめればみのて、つき頬被ほゝかぶり。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)