“閾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しきい77.3%
しきゐ16.2%
しきみ4.8%
シキミ1.3%
ゐき0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しきいのきしむ雨戸をこじ明けて、水口みずくちから踏み込むと、半七は先ず第一の獲物えものを発見した。それは野暮な赤い櫛で、土間に落ちていた。
半七捕物帳:60 青山の仇討 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その時、呼び笛の声が高く響き、もう一人の男が闇から現はれて、そのしきゐに足をかけた。裕佐は繩を持つてゐるその右の手頸を掴んだ。
それに近い感情はこの頃いつも彼女が意識のしきみの下に漠然と感じつづけていたものだったが、菜穂子はあの孤独そうな明を見てから
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
姫は、大門のシキミを越えながら、童女殿上ワラハメテンジヤウの昔のカシコさを、追想して居たのである。長い甃道イシキミチを踏んで、中門に屆く間にも、誰一人出あふ者がなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
或ものは意識ゐき下にしつけられて、ただ不安な心持だけになつてゐる。
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)