“間諜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんちょう50.9%
スパイ28.3%
まわしもの9.4%
いぬ5.7%
かんてふ3.8%
かんでふ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
間諜かんちょうの老寺男が毎晩うずくまって祈祷きとうの文句を鼻声でくり返しながら人をうかがってる場所と、その古ぼけたぼろとを借りうけた。
「彼らはわれわれの友人を捕えている、しかしわれわれの手にも向こうのひとりがはいっている。君はこの間諜スパイを殺すつもりか。」
「敵の間諜まわしものじゃないか。」と座の右に居て、猪口ちょくを持ちながら、膝の上で、箇条を拾っていた当家の主人が、ト俯向うつむいたままで云った。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「結構、事の血祭りに幕府の間諜いぬを斬れ、伊賀の上野とは幸先さいさきがよい、やい幕府の間諜、表へ出ろ、荒木が三十六番斬りの名所を見せてやる」
『あの赤ひげはくまの方の間諜かんてふだつたね』たれかが云ひました。わかものは又窓の氷を削りました。
氷河鼠の毛皮 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
アヽ、諸君、——僕の言を借用なさらぬは、必竟ひつきやう僕が平素の不徳に依るですから、むを得ないです、が、先生を間諜かんでふと認めたのは、僕の観察では無い
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)