“金口”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きんぐち72.4%
きんくち13.8%
こんく6.9%
きんく3.4%
こんぐ3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、それ等にも疲れたのち、中村は金口きんぐちに火をつけながら、ほとんど他人の身の上のようにきょうの出来事を話し出した。
早春 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
暁葉子にかかりきって大鹿とのロマンス、大鹿の居所などを追っかけていた木介は、ギョッとして、金口きんくち副部長をふりかえり
投手殺人事件 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
釈迦如来、金口こんくに正しく説き給はく、等しく衆生しゆじやうを思ふこと、羅睺羅らごらの如しと。又説き給はく、愛は子に過ぎたるは無しと。至極の大聖すら尚ほ子をうつくしむ心あり。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
考えて見れば、これが生の充実という現代の金口きんく何等なんらの信仰をも持たぬ人間の必定ひつじょうちて行く羽目はめであろう。それならそれを悔むかというに、僕にはそれすら出来ない。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
お許しがないのに殉死の出来るのは、金口こんぐで説かれると同じように、大乗の教えを説くようなものであろう。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)