“郭公”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かっこう44.3%
ほととぎす34.4%
ほとゝぎす6.6%
クワツコウ4.9%
かつこう3.3%
くわくこう3.3%
くわつこう1.6%
ポノキ1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
谷あいの草原を飾る落葉松や白樺の夢のように淡いみどり、物寂びた郭公かっこうの声、むせぶような山鳩のなく音、谷の空を横さまに鳴く杜鵑ほととぎす
秩父の渓谷美 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
「聞く度に珍らしければ郭公ほととぎすいつも初音の心地こそすれ」と申す古歌にもとづき、銘を初音とつけたり、かほどの品を求め帰り候事天晴あっぱれなり
「そはけがたき事」とうちかたぶき打かたぶきするほどに、又も一声ひとこゑ二声ふたこゑうちしきれば、「あれが声を郭公ほとゝぎすとや。いかにしてさはおぼしつるぞ、いとよき御聞おんききざま」
すゞろごと (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もう此頃になると、山はイトはしいほど緑に埋れ、谷は深々と、繁りに隠されてしまふ。郭公クワツコウは早く鳴きらし、時鳥が替つて、日も夜も鳴く。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
最も早く啼くのが郭公かつこうである、くわつくわう/\と啼く、鋭くして澄み
山寺 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
五三 郭公くわくこうと時鳥とは昔有りし姉妹なり。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
郭公くわつこうは早く鳴き嗄らし、時鳥が替つて日も夜も鳴く。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ことしも 郭公ポノキが鳴いてゐますね
古井戸のある風景 (新字旧仮名) / 金鍾漢(著)