“道理”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もっとも31.2%
どうり20.6%
だうり19.7%
ことわり12.8%
もつとも6.9%
わけ5.5%
どうれ0.9%
いはれ0.5%
ぎり0.5%
ことはり0.5%
すじみち0.5%
モツトモ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
われわれは馴れているのでさのみとも思わぬが、はじめて見た者はおどろくのも道理もっともだ。かならず此の事は世間に沙汰してくれるな。
半七捕物帳:41 一つ目小僧 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いや、ごもっとものはなしです。おそらく、みんながこまっているからでしょう。そして、あなたが、しなさるのも道理どうりおもいます。
船でついた町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちやんと勧善懲悪くわんぜんちようあく道理だうりがおわかりになるからかずに見てらつしやるのだ、其道理そのだうりわからなければ退屈たいくつして仕舞しまわけぢやアないか
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
人の聞かせしやうにこまやかなる声はあらねど、たゞものゝ哀れにて、げに恋する人の我れに聞かすなと言ひけんも道理ことわりぞかし。
すゞろごと (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
又七殿訴へなば大亂たいらんとなり白子屋の家名かめい立難たちがたしお常殿は女の事故其處そのところへ氣もつかれざるは道理もつともの事なれども能々よく/\勘辨かんべんありて隨分ずゐぶん又七殿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「お前は嬰児ねんねえだからわかるまいね、知らない道理わけだから言って聞かせよう、あのね、若お師匠様にね、御亭主だんなさまが出来たの。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
道理どうれで頭にこぶが出来てらあ。そんな不作法な頭あ、るなあ骨が折れていけねえ。今日は勘弁するから、この次から、ね直して来ねえ」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『不浄だとは何だ』と丑松は心に憤つて、蔭ながらあの大日向の不幸ふしあはせを憐んだり、道理いはれのないこの非人扱ひをなげいたりして、穢多の種族の悲惨な運命を思ひつゞけた——丑松もまた穢多なのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
むざむざ饒舌しゃべるといふ法はあるまいぢやないか、骨が砂利にならうとままよ。それをさうやすやすと、知つてれば白状したものをなんのツて、面と向つてわれわれにいはれた道理ぎりか。え? どうだ。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おもみちは一すぢなれと夏引なつびきの手引てびきのいとみだれぐるしきはこひなるかや優子ゆうこ元來もとよりさいはじけならず柔和をとなしけれど悧發りはつにてもの道理ことはりあきらかに分別わきまへながららきはれぬむねくもにうつ/\として
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その人にこんな手紙を上げるのは、道理すじみちから言っても私が間違っている。けれど、私は、まだお前と呼ばずにはいられない。どうぞ此の手紙だけではお前と呼ばしてくれ。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
難解とのみ却けられたのも道理モツトモであるが、今日ではもうその様な解釈法ではいけない。
和歌批判の範疇 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)