“遅々”のいろいろな読み方と例文
旧字:遲々
読み方割合
ちち80.0%
のそのそ5.7%
ぐづぐづ2.9%
ぐずぐず2.9%
ぐづ/\2.9%
ちゝ2.9%
のろのろ2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かねて隠岐一遊を、島の団体からすすめられているが、原稿も日々遅々ちちだし、机忙きぼうは溜るばかりで、どうも今のとこ行けそうもない。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、一旦内へ引返ひっかえして、応急の薬剤と繃帯ほうたいとを用意して、足早に表へ出ようとする時、七兵衛父爺じじい寝惚眼ねぼけまなここすりながら裏口を遅々のそのそ出て来た。出逢頭であいがしら喫驚びっくりして
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
未だほかへ廻るで急ぎますから、お話は後日ゆつくり伺ひませう。遊佐さん、御印を願ひますよ。貴方あなた御承諾なすつて置きながら今になつて遅々ぐづぐづなすつては困ります
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
こんな場合にいつも先陣を争う髯将軍はいかにせしぞとのちに聴けば、将軍、剛力の遅々ぐずぐずしゃくに触って堪らず、暫時しばし叱咜しった督励していた為に、思わず大いに遅れたという事だ。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
わたししたきました、なか/\批評ひゝやうどころではない、敬服けいふくしてしまつたのです、そこで考へた、かれが二ねんおくれて予備門よびもんに入つて来たのは、意味いみ無くして遅々ぐづ/\してたのではない
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
春の池ろうある船の歩み遅々ちゝと行くに慣れたるみさぶらひ人
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
若い者のひとりが見えがくれにそのあとをけると、かれは浅草の方角に向って遅々のろのろとたどって行った。
半七捕物帳:30 あま酒売 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)