“迎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むか72.9%
むかえ9.6%
むかい5.0%
むかひ3.7%
むけ3.7%
むかへ2.3%
むかふ0.9%
むけえ0.5%
むかふる0.5%
もら0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吉坊よしぼうは、両手りょうてあたまうえにのせて、きよちゃんがあちらへゆけば、そのほう見送みおくり、こちらへくればまたはなさずに、むかえていました。
父親と自転車 (新字新仮名) / 小川未明(著)
(我慢なさい。こんな事をしていちゃ、生命いのちにも障りましょう。血の池でも針の山でも構わず駈出かけだして行って支度してむかえに来ます。)
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三人のむかいは来ていたが、代助はつい車をあつらえて置くのを忘れた。面倒だと思って、嫂のすすめしりぞけて、茶屋の前から電車に乗った。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
此樣こんな時に、もしうちから誰かむかひに來て呉れたら、自分は何樣どんなにうれしかツたか知れぬ。併し其樣そんな事を幾ら考へてゐたツて無駄だ。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
音「かみ繁右衞門しげえもん殿どんの宅で二十三回忌の法事があるんで、おらア旦那様も往くんだが、うか尼さんにもというのでむけえにめえったのだ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
およそ雪九月末よりふりはじめて雪中に春をむかへ、正二の月は雪なほふかし。三四の月にいたりて次第にとけ、五月にいたりて雪全くきえ夏道なつみちとなる。
いづれの家にても雪は家よりもたかきゆゑ、春をむかふる時にいたればこゝろよく日光ひのひかりを引んために、あかしをとる処のまどさへぎる雪を他処へ取除とりのくるなり。
でえ阿魔あまだ、夕飯ゆふめしなにやうありやしねえなんてな、ひとりでぐうづ/″\つてな、そんで與吉よきちこと何遍なんべんむけえつてな、さうすつとあの與吉よきち野郎やらうまた、いますぐ饂飩うどんふるまつてよこすとう
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一里日見ひみ峠なり。険路にして天下の跋渉家九州の箱根となづく。山を下るとき撫院を迎ふるもの満路、余が輩にいたりても名刺を通じてむかふるもの百有余人なり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
お前のく唯継だつて、もとより所望のぞみでお前をもらふのだから、当座は随分愛しも為るだらうが、それが長く続くものか、かねが有るから好きな真似も出来る、ほかたのしみに気が移つて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
戦争中いくささなかの縁談もおかしいが、とにかく早く奥様をびなさるのだね。どうです、旦那は御隠居と仲直りはしても、やっぱり浪子さんは忘れなさるまいか。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)