“軌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
40.0%
きし30.0%
わだち25.0%
みち5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こういうことは東西そのいつにするのかも知れぬが、わしも六十六番の二階で、よくその時計の鳴音なるおとを聴いたのが今も耳の底に残っている。
不吉の音と学士会院の鐘 (新字新仮名) / 岩村透(著)
とたんに、彼女のうしろに、金属のきしる音がした。入口の重い鉄扉は、誰も押した者がないのに、早もう、ぴったりと閉っていた。
鬼仏洞事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
やがて——そう間もないうちに——五条口から西洞院にしのとういんの大路を、キリ、キリ、とかすかなわだちの音が濡れた大地を静かにきしんでくる。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
馬車は、うねうねと、黄昏たそがれの坂路にかかった。坂のうえに、灯が見えた。あれもこれも母の枕べにともる灯かと思われた。——坂を登り切ると、みちは並木の下を縫っている。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)