“蹤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
77.1%
あと16.9%
2.4%
あしあと1.2%
したが1.2%
つけ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「此処だということがどうしてわかった……」「おあとからいてまいりました、たぶん此処へいらっしゃるのだと思いまして……」
荒法師 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
僕等はたとひ意識しないにもせよ、いつか前人のあとを追つてゐる。僕等の独創と呼ぶものは僅かに前人の蹤を脱したのに過ぎない。
今にして思へば政海の波浪はおのづから高く自からひくく、虚名を貪り俗情にはるゝの人にはさをつかひ、かいを用ゆるのおもしろみあるべきも
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
微細のあしあとを認め音響を聞き分くるといえるは、牝犬が牡よりは細心甚だしく、盗人防禦ぼうぎょにもっとも適すると同義らしいが、牡馬もまたかかる能あるはほぼ前に述べた。
道にしたがいて南に行き、三ノ瀬へ下る処から東に折れて、下り気味に三町も行くと、平な稍や広い笹原の鞍部が竜バミ谷に向って、豁然と開けている。下の方に落葉松の林なども見える。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
フト見るとエリスと同年輩程の、服装の余り上等でない女が、二人の後を見え隠れにつけてゆくのであった。林は激しい人込の中で、いつか女を見失って了った。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)