“跫然”の読み方と例文
読み方割合
きょうぜん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
幸い狙いはれたれど泰助はやや狼狽ろうばいして、内より門を開けんとすれば、跫然きょうぜんたる足音門前に起りて、外よりもまた内に入らんとするものありけり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
忽爾こつじ跫然きょうぜんとして廊下の端に、殺気を帯びて、人影あらわる、近づくを見れば小浜照子。影を隠して秀はひそみぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
広き旅店の客少なく、夜半の鐘声しんとして、凄風せいふう一陣身に染む時、長き廊下の最端に、跫然きょうぜんたる足音あり寂寞せきばくを破り近着ききたりて、黒きものとうつる障子の外なる幻影の
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)