“跡型”の読み方と例文
読み方割合
あとかた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つい五六時間前に、少年嬢次と話をした時まで、もみの板壁に松天井、古机に破れ椅子というみすぼらしい書斎の面影は跡型あとかたもなくなっている。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
常識とか理智とかいうものは跡型あとかたもなくノック・アウトされたからっぽ同然のあたまを肩の上に乗せて、ふらふらと往来にさまよい出たに過ぎなかった。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
今、御辺の御人相を見るに、只今の御話と相違せる事、雲泥もたゞならず。思ふ事、云はで止みなむも腹ふくるゝ道理。的中あたらずば許し給へかし。御辺は廻国の六十六部とは跡型あとかたも無き偽り。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)