“諾”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
28.0%
だく20.7%
うべな14.7%
うん12.0%
うなず4.0%
3.3%
うけが2.0%
うべ2.0%
イエス2.0%
ウベナ2.0%
はい1.3%
よし1.3%
うけがは1.3%
うなづ1.3%
あまな0.7%
うけひ0.7%
うべの0.7%
えゝ0.7%
ゆだ0.7%
ゆる0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
初めは何といっても首を振ってかなかったが、剛情我慢の二葉亭も病には勝てず、散々手古摺てこずらした挙句がよんどころなく納得したので
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
だくしからざれば死だ。我輩はいたずらに人命を絶つことを好まぬ。だが、我輩の慈悲心には、場合によって例外あることを記憶せよ。
黄金仮面 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
父の世にありしきとき、伴はれてゆきし嬉しさ、なほ忘れざりしかば、しぶしぶうべなひつるを、「かくてこそき子なれ」とみなめつ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
すこしらしてやれ——意地悪も手つだって、すったもんだ、なかなかうんと言わないから、山城守は引っ込みがつかないで往生している。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
けれども私が今これを拒むのは何となく嫉妬のように見えてそれは卑怯だという声が心の底で私を責める、私は黙ってうなずいた。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
いひなづけするまでの交際つきあい久しく、かたみに心の底まで知りあふ甲斐かいいなともともいはるる中にこそあらめ、貴族仲間にては早くより目上の人にきめられたる夫婦
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「私の肉体は少しも私の精神の脱線をうけがわなかったのです」そして、彼女はそういう自分の肉体の行儀よさに立腹したりした。
未開の花 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
最後に彼は斯う云ったので、私は笑い乍らうべなった。
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかし、要するに、女が結婚を申込まれた時の作法に従って、公式通りに、「お母さんに相談」を持出しただけのことで、そのとき既に彼女の心はイエスに一決していた。
消えた花婿 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
あのジンに會うて來た者の話では、豬肥ヰノコヾえのした、唯の漢土モロコシびとぢやつたげなが、心はまるで、やまとのものと、一つと思ふが、お身なら、ウベナうてくれるだらうの。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
僕とは一体何だろう。自己の意志(Free-Will)を持たないもの、換言すれば主君の命令を絶対に遵奉じゅんぽうすべきものこれである、右せよ、はい。左向け、はいしもべの理想はこれだ。
イエスキリストの友誼 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
よし、その厳罰をこうむりましょう、断じて自分はこの革鞄を開いて片袖は返さぬのである。ただ、天地神明に誓うのは、貴女きじょの淑徳と貞潔である。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
双親ふたおやかへり来りてひざならべて人の家にらんは心も安からじとてうけがはず。
其顏そのかほ不審いぶかしげにあふぎて、姉樣人形ねえさまにんぎやうくださるか、げまするとわづかにうなづ令孃ひめ甚之助じんのすけうれしくたちあがつて、つたつた。
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
与えられたこの戯名を彼もあまない受けむしろ少からぬ誇りをもって自称するようにさえなった。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
彼女あれ諾否いなや肝腎かんじん吾等われら意志こゝろ添物そへものむすめうけひうへ吾等われら承諾しょうだくその取捨しゅしゃほかにはませぬ。
あのじんに会うて来た者の話では、豬肥いのこごえのした、唯の漢土びとじゃったげなが、心はまるで、やまとのものと、一つと思うが、お身なら、うべのうてくれるだろうの。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
えゝ、と返事をしなければならないと思ふ——しかも私は身顫みぶるひをするのだ。あゝ、若しセント・ジョンと一緒になれば、私は自分を半分捨てなくてはならない。
因果は万人に纏ひて悲苦を与ふるものなるに、万人は其繩羅じようらを脱すること能はずして、生死の巷に彷徨はうくわうす、伏姫は自ら進んでこの大運命に一身をゆだねたるものなり。
そして左大臣の六女との結婚はおゆるしにならなかった宮へ、強制的にその人を夫人になさしめたもうというようなこともお定めになった。中納言はそれを聞いて憂鬱ゆううつになっていた。
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)