“角々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かどかど71.4%
かど/\19.0%
かど/″\4.8%
すみずみ4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
車がようやく池の端に出ると葉子は右、左、と細い道筋の角々かどかどでさしずした。そして岩崎いわさきの屋敷裏にあたる小さな横町の曲がりかどで車を乗り捨てた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
星がきらめき出した。其の光は鋭く其の形は大きくて、象徴的しやうちようてきな絵で見る如く正しく五つの角々かど/\があり得るやうに思はれる。空は澄んで暗碧あんぺきの色は飽くまで濃い。
黄昏の地中海 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
みてはしりがきうるはしく四書五經ししよごけい角々かど/″\しきはわざとさけて伊勢源氏いせげんじのなつかしきやまとぶみ明暮あけくれ文机ふづくゑのほとりをはなさず
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
角々すみずみは暗黒に翳り、ただ中央だけが往来からの余光でかすかに明るい。近くにはランプも無く、また窓は埃が厚く積っているので、我々はただお互にその輪廓を見止め得るだけであった。