“親爺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おやじ80.4%
おやぢ15.4%
おど0.9%
ちやん0.5%
おいぼれ0.5%
おつ0.5%
おやじい0.5%
おやっ0.5%
とっ0.5%
ヘンリー0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そんな親爺おやじがこの楽屋へ丼飯なんぞ持って来たことがあったのかと、思返して見ようとする者すら、一人もないような有様であった。
勲章 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
親爺おやぢは幾度か叱り飛ばしてやつと芋畑に連れ出しはしたが、成斎はいたちのやうにいつの間にか畑から滑り出して、自分のうちに帰つてゐた。
「待ってけれ、親爺おど、頼むから、待ってけれ」
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
親爺ちやんがいつもさう言つてら。自動車の旦那衆だんなしだけには忘れんやうにお辞儀しろつてね。だつて自動車に乗つて来る人、みんなうちのお客様だもの……」
「おーいッ、炭焼。——この小屋の親爺おいぼれはおらんか」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
親爺おつさん、もう始めたんか。」
続生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
「なあ今はん。ほんまに俺、情ないことやけれどな、紅梅派の親爺おやっさんには、こののちもっともっとお世辞べんちゃら言わんならん思うてるね」
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
親爺とっさん、悪い事は云わん。この鰤は腐っとるばい。こげな品物もんば下げておくと、喰うたお客の頭の毛が抜けるばい」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「ヘンリーはあれを朝飯の時に二三杯位ゐづゝ飲む習慣だつたよ。その時分には、田舎などにはあれがなくつて親爺ヘンリーは、横浜に居たフロラの家から送つて貰つてゐたんだ。」
素書 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)