“裂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
71.1%
きれ5.5%
4.0%
3.7%
ざき2.9%
さけ2.2%
つんざ1.8%
ちぎ1.5%
れつ1.1%
0.7%
ぎれ0.7%
さい0.7%
さか0.7%
さき0.7%
やぶ0.7%
0.4%
さば0.4%
0.4%
たけ0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
当時、自他ともに「斬りくジャック」と呼んで変幻へんげんきわまりなく、全ロンドンを恐怖の底に突き落としていた謎の殺人鬼があった。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
目の前の餉台ちやぶだいにあるお茶道具のことから、話が骨董こつとうにふれた。ちやうどさういふ趣味をもつてゐる養嗣子が、先刻さつきからきれで拭いてゐたつばを見せた。
町の踊り場 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
復讐ふくしゅうだ、復讐だ! きっと其の男を殺して、八ツきにしてやるんだ。おれがその男を殺したかどにより、次の日、死刑にされたっていい』
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのれ地が、もらった嬢さんたちの結綿島田ゆいわたしまだにもかけられ、あたしたちの着物にもじゅばんの襟にもかけられた。帯にもなった。
「錢形の親分さん、九百九十兩盜つた野郎を搜し出して、磔刑はりつけにするなり、八つざきにするなり、思ひ知らせてやつて下さい、お願ひ」
大なるは七八けん、種々のかたちをなし大小ひとしからず、川のひろき所とせまき処とにしたがふ。あしたさけはじめてゆふべにながれをはる。
読本よみほんならば氷鉄ひがねといおう、その頂から伊豆の海へ、小砂利まじりにきばを飛ばして、はだえつんざく北風を、日金おろしおそれをなして、熱海の名物に数えらるる。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「嘘ぢやありません。おや、それをちぎりなした。反古ぢやないのですぞい。中に胡瓜の種があるのですに。御覽なさい、みんな無くなつて。」
胡瓜の種 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
花下かかに五れつせる緑萼りょくがくがあり、花冠かかん高盆形こうぼんけいで下は花筒かとうとなり、平開へいかいせる花面かめんは五へんに分かれ、各片のいただきは二れつしていて、その状すこぶるサクラの花に彷彿ほうふつしている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
だ東京で三年前に買つたまゝのをかぶつて居る僕の帽もこの連中れんぢゆうあかみた鳥打帽やひゞれた山高帽やまだかばうに比べれば謙遜する必要は無かつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
大丸へ入ると彼女達はぎれのところへ第一に行つて時間のかかる選択を開始した。礼助がぼんやり彼女達について裂の間を泳いでゐると、それに不図気のついた時子は
曠日 (新字旧仮名) / 佐佐木茂索(著)
偖又雲助共は再び一所に集合あつまり己れはすねを拂はれわれは腰を打れたりと皆々疵所きずしよさすり又は手拭てぬぐひなどさいて卷くもあり是では渡世が六ヶ敷と詢言々々つぶやき/\八九人の雲助共怪我を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
十一月の三日の事で、空は雪催しで、曇りまして、筑波おろしの大風が吹き立てゝ、身をさかれるほど寒うございます。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二重ふたえまわして、すらりと結び、髪は島田のこうがい長く、そこで男の衣裳と見れば、下に白地の能登おりちじみ、上は紋つき薄色一重、のぞき浅黄のぶッさき羽織ばおり、胸は覚悟の打紐うちひもぞとよ
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風「更に一段の進境を示すには、竪杖たてキュウをして二寸三分クロオスをやぶかなければ可けません」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
時の将軍様のもちいたにしきのきれはじであり、腰にさげている猩々緋しょうじょうひ巾着きんちゃくは、おなじく将軍火事頭巾ずきんの残りれだという。
「さてさて情を知らぬ奴! 屈竟くっきょうの武士が賊どもに捕虜とりこにされて、尚おめおめ生きているものと思いおるか! 捕えられた時は死ぬ時じゃ! 腹かっさばいて死ぬ時じゃ!」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
くちかねえ、そんだらくち兩方りやうはうへふんえてやれ、さあくかかねえかとうだ」小柄こがらぢいさんは自分じぶんくち兩手りやうてゆびでぐつとひろげていつた、圍爐裏ゐろりあたりしばらさわぎがまなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いや、御深切は難有ありがたいが、薬罐やかんの底へ消炭けしずみで、くあとからめる処へ、氷で咽喉のどえぐられそうな、あのピイピイを聞かされちゃ、身体からだにひびったけがはいりそうだ。……持って来な。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
師匠ししょうさまがつらつら亀卜きぼく卦面かめんを案じまするに、すなわち、——富岳フガク鳳雛ホウスウマレ、五狂風キョウフウショウジ、喬木キョウボクアクツミイダイテライカル——とござりましたそうです
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)