“被風”の読み方と例文
読み方割合
ひふ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのこびある目のほとりやうやく花桜の色に染みて、心楽しげにやや身をゆるやかに取成したる風情ふぜいは、にほひなどこぼれぬべく、熱しとて紺の絹精縷きぬセル被風ひふを脱げば、羽織は無くて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
野袴のばかま穿き、編笠あみがさをかむった、立派なみなりのお侍様五人が、半僧半俗といったような、まるめたおつむ頭巾ずきんをいただかれ、羅織うすもの被風ひふをお羽織りになられた、気高いお方を守り
怪しの者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その人はよはひ六十路むそぢ余にかたふきて、顔はしわみたれど膚清はだへきよく、切髪きりがみかたちなどなかなかよしありげにて、風俗も見苦からず、ただ異様なるは茶微塵ちやみじん御召縮緬おめしちりめん被風ひふをも着ながら
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)