“蚕豆”の読み方と例文
旧字:蠶豆
読み方割合
そらまめ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
農家の垣には梨の花と八重桜、畠には豌豆えんどう蚕豆そらまめ麦笛むぎぶえを鳴らす音が時々聞こえて、つばめが街道を斜めにるように飛びちがった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
さはいへ大麦の花が咲き、からしの花も実となる晩春の名残惜しさは、青くさい芥子のうてなや新しい蚕豆そらまめの香ひにいつしかとまたまぎれてゆく。
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
飛々に石を置いた向うは、四ツ目に組んだ竹垣で、垣に青薄あおすすき生添はえそって、葉の間から蚕豆そらまめの花が客を珍らしそうにのぞく。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)