“藤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふじ57.8%
ふぢ20.2%
とう18.3%
どう1.8%
ツル1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やれ、やれ、昼寝の夢が覚めて見れば、今日はまた一段と暑いようじゃ。あのまつふじの花さえ、ゆさりとさせるほどの風も吹かぬ。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
かはつてかへつてたのはくま膏薬かうやく伝次郎でんじらう、やちぐさんだかさかむたぬき毛皮けがはそでなしをて、糧切まぎりふぢづるでさや出来できてゐる。
土佐の国中から穴内あなない川の渓へ越える繁藤しげとうに、肥後の人吉から日向へ越える加久藤かくとうは、共に有名な峠であるがこのとうもまた「たを」であろう。
峠に関する二、三の考察 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
かのうらぶれのいか物師、 木どうがかりのかどなれや。
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
すなわちツルの様な茎に生じているとの意であるから、我がカキツバタの様に茎がツンと一本立ちに突き立っていては決してツルの様なと形容する事は出来ない。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)