“薬籠”の読み方と例文
旧字:藥籠
読み方割合
やくろう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寧ろすこぶる熱心に海彼岸の文学の表現法などを自家の薬籠やくろう中に収めてゐる。たとへば支考しかうの伝へてゐる下の逸話にちようするが好い。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
去定と登、それに薬籠やくろうを背負った竹造もいっしょで、伝通院の裏を大塚へぬけ、寺と武家の小屋敷の多い町を、音羽のほうへと向かっていった。
花房の背後うしろに附いて来た定吉は、左の手で汗を拭きながら、げて来た薬籠やくろうの風呂敷包を敷居のきわに置いて、台所の先きの井戸へ駈けて行った。
カズイスチカ (新字新仮名) / 森鴎外(著)