“蕭散”の読み方と例文
読み方割合
しょうさん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水に臨んだ柳並木は未だ枯々として、蕭散しょうさんな感じを与える。三吉はその枝の細く垂下った下を、あちこちと歩いた。やがて正太の方へ引返して来た。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
辜鴻銘ここうめい先生を訪う。ボイに案内されて通りしは素壁に石刷の掛物をぶら下げ、床にアンペラを敷ける庁堂なり。ちょっと南京虫はいそうなれど、蕭散しょうさん愛すべき庁堂と言うべし。
北京日記抄 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
椿岳の伝統を破った飄逸ひょういつな画を鑑賞するものは先ずこの旧棲を訪うて、画房や前栽せんざいただよう一種異様な蕭散しょうさんの気分に浸らなければその画を身読する事は出来ないが、今ではバラックの仮住居かりずまい