“落款”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
らっかん81.8%
らくくわん9.1%
らくかん6.1%
らつくわん3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
橋口君が唸りたい一方なら、この中老はなすりたい一方で、斯ういう会合には落款らっかんまで懐中に忍ばせている。まことに用意周到なものだ。
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
さうしたら、鼻の尖つた、眼張りの強い、くちびるをへの字に曲げてゐる顔が、うす暗い雲母摺きららずりうしろにして、いよいよ気味悪く浮き上るだらう。落款らくくわん東洲斎写楽とうしうさいしやらく……
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
嘉永庚戌かのえいぬ、七月、山村菱秋書という落款らくかんで、半七先生に贈ると書いてあるのも何だかおかしいようにも思われた。
半七捕物帳:35 半七先生 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
宗助そうすけひざいてぎんいろくろげたあたりから、くずかぜうらかへしてゐるいろかわいたさまから、大福だいふくほどおほきなまるしゆ輪廓りんくわくなかに、抱一はういつ行書ぎやうしよいた落款らつくわんをつく/″\と
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)