“落椿”の読み方と例文
読み方割合
おちつばき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
バサリと、時々ころげてくるものは、落椿おちつばきの音だった。——弦之丞はこの辺から、一節切ひとよぎりを笛袋におさめて、ややしばらくの闇を辿たどる。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
妓共をんなどもは大小こき交ぜて、吹き溜りの落椿おちつばきのやうに、廣間の隅つこに額を突き合せ、疑ひと惱みと不安とにさいなまれた眼を見張つて居りました。
門野かどのは無雑作にて行つた。代助は茶のから、座敷をとほつて書斎へ帰つた。見ると、奇麗に掃除さうじが出来てゐる。落椿おちつばき何所どこかへき出されて仕舞つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)