“菜花”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なたね50.0%
なのはな50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山はどこも彼処かしこむせかえるような若葉が鬱蒼うっそうとしていた。せた菜花なたねの咲いているところがあったり、赭土あかつちの多い禿山はげやまの蔭に、瀬戸物を焼いているかまどの煙が、ほのぼのと立昇っていたりした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ただ一叢ひとむらの黄なる菜花なのはなに、白い蝶が面白そうに飛んで居る。南の方を見ると、中っ原、廻沢めぐりさわのあたり、桃のくれないは淡く、李は白く、北を見ると仁左衛門の大欅おおけやきが春の空をでつゝ褐色かっしょくけぶって居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)