“荒野”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あれの44.9%
あらの30.6%
こうや16.3%
あらぬ4.1%
ヴュステ2.0%
サヴァンヌ2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三里の荒野あれの跋渉ばっしょうして、目に見ゆるもの、手に立つもの、対手あいてが人類の形でさへなかつたら、覚えの狙撃ねらいうちて取らうと言ふのであるから。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
時うつりて生出いき(い)づ。をほそくひらき見るに、家と見しはもとありし荒野あらの一四二まい堂にて、黒き仏のみぞ立たせまします。
従つて行為其物を目的として、円満に遂行する興味もたなかつた。彼はたゞ一人ひとり荒野こうやうちつた。茫然としてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
生きたる物も、死したるも、此空漠くうばく荒野あらぬには
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
父から子に——人間の種子が必ず一度は流転せねばならぬ生死の境、つまり、暗黒に風雨が吹きすさぶ、あの荒野ヴュステのことですわ。もう少し具体的に申し上げましょうか。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
現地実際においては獅子のむ無人の荒野サヴァンヌを走り、毒蛇の巣くう灌木かんぼく草原地帯を貫き、あるいは大密林、山領重畳たる高山の頂を縫い、到底これを実際に画測すべくもないものであった。
令嬢エミーラの日記 (新字新仮名) / 橘外男(著)