“苦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にが39.5%
くる23.8%
くるし14.9%
9.9%
3.6%
くるしみ2.5%
ぐる0.8%
あっ0.7%
0.5%
いぢ0.5%
にん0.4%
にんが0.4%
ねんごろ0.3%
くるしむ0.3%
つら0.3%
0.1%
くるしめ0.1%
しきり0.1%
にがにが0.1%
にく0.1%
にご0.1%
にイが0.1%
ねが0.1%
ねん0.1%
ねんご0.1%
クル0.1%
グシ0.1%
ニガ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたし達が子供のときに何か取留めのない化物話などを始めると、叔父はいつでもにがい顏をして碌々ろくろくに相手にもなつて呉れなかつた。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
「おかあさん、くるしい?」と、勇吉ゆうきちは、母親ははおやのまくらもとにつききりで、をもんでいましたが、なんとおもったか、きゅうがって
一粒の真珠 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それ三聲みこゑめにると、くやうな、うらむやうな、呻吟うめくやうな、くるしもがくかとおも意味いみあきらかにこもつてて、あたらしくまたみゝつんざく……
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼はひとの邪魔になる自分をにする男ではなかった。時と場合によると、それと知って、わざわざ邪魔までしかねない人間であった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
小女はんがりともせずに跟いて來ました。二階の客は四組十人ばかり、二た間の隅々に陣取つて正月氣分もなく靜かに呑んで居ります。
くるしみかろんずるとか、なんにでも滿足まんぞくしてゐるとか、甚麼事どんなことにもおどろかんとふやうになるのには、あれです、那云あゝい状態ざまになつてしまはんければ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
十月十四の午後の出来事をづ書くべきにさふらはん。その前夜ぜんや私常よりも一層眠りぐるしく、ほとほとと一睡の夢も結びかねて明かせしにさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
猛獣犠牲いけにえて直ぐには殺さず暫時しばらくこれをもてあそびて、早あきたりけむ得三は、下枝をはたと蹴返せば、あっ仰様のけざまたおれつつ呼吸いきも絶ゆげにうめきいたり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
水を打懸ぶっかけるぞ。「くらい附くぞ。「、痛、ほんとにくいついたな。この狂女きちがいめ、と振払う、むしゃぶりつくを突飛ばす。がたぴしという物音は皿鉢飛んだ騒動さわぎなり。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
全くは私に御飽きなされたので此樣かうもしたら出てゆくか、彼樣あゝもしたら離縁をと言ひ出すかといぢめて苦めて苦め拔くので御座りましよ、御父樣も御母樣も私の性分は御存じ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ほんものゝ病氣と言ふのが可笑しかつたか、平次と笹野新三郎は顏を見合せてにんがりとしました。
ほんものの病気と言うのが可笑おかしかったか、平次と笹野新三郎は顔を見合せてにんがりとしました。
唯懐ただおもひき人に寄せて、形見こそあだならず書斎の壁に掛けたる半身像は、彼女かのをんなが十九の春の色をねんごろ手写しゆしやして、かつおくりしものなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
雪吹ふゞきの人をころす事大方右にるゐす。暖地だんちの人花のちるくらべ美賞びしやうする雪吹ふゞきと其ことなること、潮干しほひあそびてたのしむ洪濤つなみおぼれくるしむとのごとし。雪国の難義なんぎ暖地だんちの人おもひはかるべし。
あゝ萬の罪人にまさりて幸なく生れし民、語るもつらき處に止まる者等よ、汝等は世にて羊または山羊やぎなりしならば猶善かりしなるべし 一三—一五
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ももりたまはく、「いまし、吾を助けしがごと、葦原の中つ國にあらゆるうつしき青人草一九の、き瀬に落ちて、患惚たしなまむ時に助けてよ」とのりたまひて、意富加牟豆美おほかむづみの命といふ名を賜ひき。
今にもその人とおなじくあるじのかへりたまはんもはかりがたし、雪頽なだれにうたれ給ふやうなる不覚人ふかくにんにはあらざるを、かの老奴おやぢめがいらざることをいひて親子おやこたちの心をくるしめたりといふに
郢人那得苦追尋 郢人えいひとなんしきり追尋ついじんするを得ん(『景徳伝燈録』巻七大梅法常章)
僧堂教育論 (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
革命の先覚者たるかの如くに振舞ふ彼女の暴状を見よ、にがにがしいことだ。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)
ハハハハハ、お前を前に置いてはちと言いにくい話だがナ。実はあの猪口は、むかしおれが若かった時分、アア、今思えば古い、古い、アアもう二十年も前のことだ。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
、まだ、今のように申す。……ははは、御内儀、お湯加減はよろしかったが、ちと、にごうござったぞ
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あつちの水はにイがいぞの「赤い帽子の蛍」や、一羽の雀が云ふことにのあの「三羽の小さな雀」の謡や、思ひ出せば数かぎりもありません。
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
とっともうねがえ顔をして居なせえまして、うっかり冗談も云えませんよ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この我がおしえおぼえて決してそむくことなかれとねんごろにいましめ諭して現世このよりければ、兄弟共に父の遺訓にしたがひて互ひに助けあひつつ安楽に日をくらしけり。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
能く心して生活なりわいの道を治めよ、とねんごろに説き示しければ、弟はこれを口惜くちおしく思ひてそののち生活の道に心を用ひ、ようやく富をいたしけるが
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ルヤ、キミ断食ダンジキクルシキトキニハ、カノ偽善者ギゼンシャゴトカナシキ面容オモモチヲスナ。コレ、カミゲン
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
わが宿の毛桃の下に月夜さし 下心吉シタコヽロヨシグシ莵楯頃者ウタテコノゴロ(同巻十)
副詞表情の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
愛執のニガき赤痣を醸すなり
詩語としての日本語 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)