“苛責”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かしゃく71.0%
かしやく9.7%
いぢめ3.2%
さい3.2%
さいな3.2%
せめ3.2%
いじめ2.2%
いじ2.2%
いぢ1.1%
くるしみ1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まあとおせんはたれでもしたように片手で頬を押えた。源六はそれを見て眉をしかめ、良心の苛責かしゃくを受ける者のように眼を伏せた。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
解釋かいしやくしたとき御米およねおそろしいつみをかした惡人あくにんおのれ見傚みなさないわけかなかつた。さうしておもはざる徳義上とくぎじやう苛責かしやく人知ひとしれずけた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
金力と云つたものが、丸切り奪はれてゐる父が、黄金魔と云つてもよいやうな相手から、赤児の手を捻ぢるやうに、苛責いぢめられる。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
全く私一人の責任であるかのような心苦しさに苛責さいなまれて、両手を顔に当てて、全身に冷汗を流したのであった。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
(百万法の負債に苛責さいなまれる天才の運命は悲惨なるかな。)などと傲語ごうごしてみる。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
体は日に増して恢復して行ったが、心の苦悶は肉体と反対に日夜、慚愧ざんき牛頭ごず馬頭めず苛責せめられた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金力と云ったものが、丸切り奪われている父が、黄金魔と云ってもよいような相手から、赤児あかごの手をじるように、苛責いじめられる。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
弱いうさぎを、苛責いじめる牝豹めひょうか何かのように、瑠璃子は何処どこまでも、皮肉に逆に逆に出るのであった。美奈子は、青年の顔を見るのにえなかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
弱い兎を、苛責いぢめる牝豹か何かのやうに、瑠璃子は何処までも、皮肉に逆に逆に出るのであつた。美奈子は、青年の顔を見るのに堪へなかつた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
こんな苛責くるしみに会いながら、病気一つせずに、日にし丸々と肥って、康強すこやかに、美しくそだって行くのです、この島の清らかな風と、水と、豊穣ゆたか食物かてと、美しい、楽しい
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)