“苔蒸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こけむ97.4%
こけむす2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこに預けて置いた弓の道具を取出して、私は学士と一緒に苔蒸こけむした石段を下りた。静かな矢場には、学校の仲間以外の顔も見えた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
真の夜泣松は、汽車から来る客たちのこの町へ入る本道に、古い石橋の際に土をあわれにって、石地蔵が、苔蒸こけむし、且つ砕けて十三体。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
苔蒸こけむす欄干らんかんがくれに、けた蔦蔓つたづるめたのが、前途ゆくてさへぎるのに、はし彼方かなたには、大磐石だいばんじやくかれて、急流きうりう奔湍ほんたんと、ひだりよりさつち、みぎよりだうくゞり、真中まんなか狂立くるひたつて
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)