“花橘”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はなたちばな71.4%
かきつ28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一夜の内に腰さえ弓のように曲った平太夫は、若殿様の御文をつけた花橘はなたちばなの枝を肩にして、這々ほうほう裏の御門から逃げ出して参りました。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さっと御簾みすを透かして吹く風に、花の香と客の貴人のにおいの混じって立つのも花橘はなたちばなではないが昔恋しい心を誘った。
源氏物語:50 早蕨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
鼓の圓子、三十石の小文枝、廓噺の文治郎、鬚を生やした蔵之助、今の遊三、レコードで売った花橘かきつ、枯淡な円枝が中堅格。
わが寄席青春録 (新字新仮名) / 正岡容(著)
橘之助門下の花橘かきつ、十七、八の小娘で下ぶくれの顔立ちから口元のむっとした工合で「ウサギ」、客にいわれると踊りながら一層口元を膨らます。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)