“色褪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いろあ90.3%
いろさ3.2%
いろざ3.2%
3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
壁には、色褪いろあせたミレーの晩鐘の口絵が張ってあった。面白くもない部屋だ。腰掛けは得たいが知れない程ブクブクして柔かである。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
最も所好すきなるは御横顔の半身のに候へども、あれのみ色褪いろさめ、段々薄く相成候が、何より情無く存候へども、長からぬ私の宝に致し候間は仔細も有るまじく、き後には棺の内にをさめもらひ候やう
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
私の物とては、衣類を入れた箱と汚れた色褪いろざめた蒲団ふとんぐらいのもので、机もなければただの一枚の座蒲団すらもなかった。暗い、じめじめした、黴臭かびくさい、陰気な部屋だった。
ぐるりには大入袋や安っぽい石版摺りの似顔絵などが、一面に張られていて、壁地の花模様などは、何が何やら判らないほどに、色褪めていた。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)