“至当”のいろいろな読み方と例文
旧字:至當
読み方割合
しとう60.0%
あたりまえ20.0%
あたりまへ6.7%
もっとも6.7%
もつとも6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しばらく立場をえて、自己が自然になり済ました気分で観察したら、ただ至当しとうの成行で、そこに喜びそこに悲しむ理窟りくつごうも存在していないだろう。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「人の気を知らねえにも程がある」と源は怒気を含んで、舌なめずりをして、「何が可笑おかしい。気の毒に思うのが至当あたりまえじゃねえか」
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
あるひは、彼男に言はせたら、六左衛門だつて立派な公民だ、其娘を貰ふのに何の不思議が有る、親子の間柄で選挙の時なぞに助けて貰ふのは至当あたりまへぢやないか——斯う言ふかも知れない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
汝一人に重石おもし背負しょってそう沈まれてしもうては源太が男になれるかやい、つまらぬ思案に身を退いて馬鹿にさえなって居ればよいとは、分別が摯実くすみ過ぎて至当もっともとは云われまいぞ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
汝一人に重石おもしを背負つて左様沈まれて仕舞ふては源太が男になれるかやい、詰らぬ思案に身を退て馬鹿にさへなつて居れば可いとは、分別が摯実くすみ過ぎて至当もつともとは云はれまいぞ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)