“自家”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うち67.3%
じか16.3%
いえ5.8%
おのれ2.9%
ウチ1.9%
じぶん1.0%
うぬ1.0%
じたく1.0%
みずから1.0%
みつから1.0%
われ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「冬はこんなものきりしかございません。これは青豆を乾したものですがこれは自家うちでこしらえたものです。どうぞ、旦那様に……」
故郷 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「いや、話してくれないでも好い。いやだと云うものに無理に貰ってもらいたくはない。しかし本人が来て自家じかに訳を話すが好い」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
酒宴の席を取り持つのは洞院左膳と鳰鳥におどりとで執事の筆頭甚五衛門は、あの夜以来ご勘気をこうむって自家いえこもっているのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
もうかれとても自家おのれの運命の末がそろそろこわくなって来たに違いない。およそ自分の運命の末を恐がるその恐れほど惨痛さんつうのものがあろうか。
まぼろし (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
芝居町の中に隔離せられて住み、小屋と自家ウチとの外に世間を持たなかつた彼等の先代・先々代の生活様式は、子孫である彼等の生活気分を、芝居小屋に繋いでゐた。
市村羽左衛門論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
文三と意気そりが合わねばこそ自家じぶん常居つねからきらいだと云ッている昇如き者に伴われて、物観遊山ものみゆさんに出懸けて行く……
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それを昇は、あだかも自家うぬ一個ひとりの課長のように、課長々々とひけらかして、頼みもせぬに「一の力を仮してやろう、橋渡しをしてやろう」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
外は星夜ほしづくよで風の無い静かな晩である。左へまがれば公園脇の電車道、銀之助は右に折れてお濠辺ほりばた通行ひとゞほりのない方を選んだ。ふと気が着いて自家じたくから二三丁先の或家あるいへ瓦斯燈がすとうで時計を見ると八時すぎである。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
この国家の大事に際しては、びょうたる滄海そうかいの一ぞく自家われ川島武男が一身の死活浮沈、なんぞ問うに足らんや。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)