“背負”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょ49.2%
せお18.4%
しよ14.3%
おぶ6.4%
しょい2.8%
おんぶ1.0%
しょっ1.0%
しょわ0.8%
せおひ0.5%
おぶっ0.5%
せおい0.5%
せおう0.5%
せよは0.5%
おぶわ0.3%
しょひ0.3%
しよは0.3%
しよひ0.3%
じょ0.3%
じょい0.3%
せおっ0.3%
せおはせ0.3%
せおわ0.3%
せおを0.3%
せた0.3%
せたら0.3%
せを0.3%
シヨ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まず朝勃然むっくり起る、弁当を背負しょわせて学校へだしる、帰ッて来る、直ちに傍近の私塾へ通わせると言うのだから、あけしい間がない。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
くはかついで遺跡ゐせきさぐりにあるき、貝塚かひづかどろだらけにつてり、その掘出ほりだしたる土器どき破片はへん背負せおひ、うしていへかへつて井戸端ゐどばたあらふ。
彼の母がふだん滅多に出入りしない部屋に入つてきますと、Marion は蝶番てふつがひをはづした大きな窓の扉を自分の背に背負しよつて
お雪が子供を背負おぶいながら引返して来てみると、机の下に、「お雪さまへ、千代」とした土産が置いてあった。千代とは曾根の名だ。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その巧妙インジニアスな暗号により、只管ひたすらに読者の心を奪って他を顧みるいとまをあらしめず、最後に至ってまんまと背負しょい投を食わす所にある。
「二銭銅貨」を読む (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
ですから貴下を背負おんぶしてあの高い天の御殿などにはもうとてもいかれませんけれども此儘このままにして置いては私の役目が果せませんから、一つ貴下あなたが天に御昇りになれる法をお教へ致します。
子良の昇天 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
「京都という所は、いやに寒い所だな」と宗近むねちか君は貸浴衣かしゆかたの上に銘仙めいせんの丹前を重ねて、床柱とこばしらの松の木を背負しょって、傲然ごうぜん箕坐あぐらをかいたまま、外をのぞきながら、甲野こうのさんに話しかけた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
世間は容赦なく彼らに徳義上の罪を背負しょわした。しかし彼ら自身は徳義上の良心に責められる前に、いったん茫然ぼうぜんとして、彼らの頭がたしかであるかを疑った。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
背負せおひ歩行あるく辨慶がのそ/\と出きたりモシ/\文さん今日は雨降あめふりで御互に骨休ほねやすみ久しぶりなれば一くちのむべし夫に今さんまの生々なま/\としたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この中に人を殺したものは無いから、まず命に別条はあるまい。「むむ、背負おぶってくれがちと怪しいが、「ままよこうか、 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
したることならねど人々ひと/″\へのどく一つに背負せおいたるやうおもひありき、長吉ちようきちすこしはりそこねをはづかしうおもふかして、信如しんによはゞ小言こごとかんとその三四姿すがたせず
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うで幾代いくだいものうらみを背負せおうわたしなればだけことはしなければんでもなれぬのであらう、なさけないとてもれもあはれとおもふてくれるひとはあるまじく
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
飛鳥とぶとりもあとをごすなに候へば、大藤おほふぢ大盡だいじん息子むすこきしに野澤のざわ桂次けいじ了簡りようけんきよくないやつ何處どこやらの割前わりまへひと背負せよはせてげをつたなど〻斯ふいふうわさがあと/\にのこらぬやう
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
お雪は子供を下婢に背負おぶわせて置いて、夫の傍へ来た。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
背負しょひ繩はいかにきびしく食ひ入ったか
間島パルチザンの歌 (新字旧仮名) / 槙村浩(著)
荷札チエツキ扱ひにして来た、重さうな旅行鞄を、信吾が手伝つて、頭の禿げた松蔵に背負しよはしてる間に、静子は熟々つくづく其容子を見てゐた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「へエ——十手を出す暇もありやしません。いきなり一本背負しよひに、欄干を越してドブンとやられたには驚きましたよ」
派手なゴルフ服に黒の風呂敷包みを西行背負じょいにし、マザラン流の古風なるつつ眼鏡を小脇にかかえ大ナイフを腰につるし、女子なる方は乗馬服に登山靴、耳おおいのついた羅紗の防寒帽をかむり
墨染の麻の法衣ころもれ破れななりで、鬱金うこんももう鼠に汚れた布に——すぐ、分ったが、——三味線を一ちょう盲目めくら琵琶びわ背負じょい背負しょっている、漂泊さすら門附かどづけたぐいであろう。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その三十俵の米を如何どうすると云うた所が、かついで行かれるものでもなければ、味噌樽を背負せおって駈けることも出来なかろう。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
御許おゆるくだされなば有難しと餘儀よぎなげに頼むに夫はよき思付おもひつきなり明日より左樣さやういたし心任こゝろまかせに父の在所ありかを尋ぬべしとて翌日より餠を背負せおはせて出せしに元より發明はつめいうまれなれば屋敷方やしきがたへ到りても人氣じんき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
キシニョーフへ出て来て背嚢はいのうやら何やらを背負せおわされて、数千の戦友とともに出征したが、その中でおれのように志願で行くものは四五人とあるかなし
孤獨こどくしもよけの花檀くわだんきくか、だけ後見うしろみともいふべきは、大名だいみやう家老職かろうしよく背負せおをてたちし用人ようにんの、何之進なにのしん形見かたみせがれ松野雪三まつのせつざうとてとし三十五六、おやゆづりの忠魂ちうこんみがきそへて
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「——他あやん、うちはその子貰たらお乳母をつけよ思てまんねんぜ。それに他あやん、あんたその子背負せたろうて俥ひく気イだっか」
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
蹴ったくそわるいさかい、亭主の顔みイみイ、おっさんどないしてくれまんネいうて、千度せんど泣いたると、亭主も弱り目にたたり目で、とうとう俺を背負せたらうて、親父のとこイ連れて行きよった。
アド・バルーン (新字新仮名) / 織田作之助(著)
で、其処そこ温泉宿をんせんやどだ、とをしへて、山間やまあひがけしげつたほそみちへ、……背負せをつてた、たけびた雑木ざうきまきを、身躰からだごとよこにして、ざつとはいつてく。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ダ・ヴィンチは、入れられぬ故郷の町を後に、自作の画数枚を背負シヨつて雪のアルプスを越え………「今に………!」兄は何時の間にか昂奮してゐた。
耕二のこと (新字旧仮名) / 中原中也(著)