“翹望”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぎょうぼう78.6%
まちもう7.1%
げうばう3.6%
のぞ3.6%
まちこが3.6%
まちのぞ3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
同時に翁のそこまでの苦心とこれに対する一般人士の翹望ぎょうぼうは非常なものがあったに違いない事が想像されるので、その能が両日に亘り
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
翌日の新聞は、隅田川すみだがわの満潮と、川開の延期とを伝えた。水嵩みずかさが増して危いという記事は、折角せっかく翹望まちもうけた娘達をガッカリさせた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
次に前夕さいつゆふべの目撃せしところに就きて颶風を敍し、岸に臨みて翹望げうばうせる婦幼に及び、十字架を落す兒童とこれを拾ひて高くさゝぐる漁翁とに及べり。
熾盛さかんな青春の時代ときよに逢ひ乍ら、今迄経験であつたことも無ければ翹望のぞんだことも無い世の苦といふものを覚えるやうに成つたか、と考へると
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「これが首を延して翹望まちこがれていた、新しい時代というものであろうか」こう原は自分で自分に尋ねて見たのである。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
繋留場には、種牛の外に、二頭の牡牛もつないであつて、丁度死刑を宣告された罪人が牢獄ひとやの内に押籠おしこめられたと同じやうに、一刻々々と近いて行く性命いのちの終を翹望まちのぞんで居た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)