“羅漢柏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あすならう14.3%
あすなろ14.3%
あすなろう14.3%
あすはひのき14.3%
あすひ14.3%
あすひかし14.3%
るすび14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自然の力も、未だそれを全くかくし去ることは出来なかつた。例へば、もとはこんもりと棗形なつめなりに刈り込まれて居たであらうと思へる白斑入しらふいりの羅漢柏あすならうである。それは門から玄関への途中にある。
木曽の五木と称されている、杜松ねず羅漢柏あすなろさわら落葉松からまつひのきなどが左右に茂っている。山腹の細道は歩きにくく、それに夕暮れでもあったので、気味悪くさえ思われた。
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と話をしながら漸く登りますると、是れから金精峠こんせいとうげと申して実に難所なんじょで、樹木は榧松かやまつ羅漢柏あすなろうの大樹ばかりで、かれこれ一里半ばかり登りますと、西の方は日光の男体山いずるさん此方こちら白根山しらねさんが見えまする。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
築山の羅漢柏あすはひのき、枝ぶりのくねつた松、ばらばらの寒竹、苔蒸した岩、瓢箪形の池の飛石、みぎは小亭ちん、取りあつめて、そのまま一つのすがたになつてる。動きの無い庭、幽かな庭。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「左様でございますよ、御承知の通り檜に椹、それから高野槙こうやまき羅漢柏あすひ𣜌ねずこを加えまして、それを木曾の五木とたたえている者もあるようでございます」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ぶな羅漢柏あすひかし落葉松からまつなどで、出来あがっている林があって、十七日の冴えた月光に、紗のように捲かれて静もっていたが、その中へ一同が駆け込んだ。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その建物のまわりには、栃だの欅だの檜だの、羅漢柏るすびだの落葉松からまつだの高野槇こうやまきだのの、すぐれた木地が積み重ねられ、丘のような形をなしている。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)