“絡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
から72.3%
まと11.2%
まつ4.6%
からま3.8%
まつわ2.4%
がら1.4%
まつは1.2%
かが0.6%
まとま0.4%
0.4%
カラ0.4%
からも0.2%
くゝ0.2%
つな0.2%
つなが0.2%
0.2%
もつ0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
他に何人だれも客がなくてそれでお幸ちゃんが出前をもって往ったことがあった。北村さんの右の手はこっちの左の手首にからまっていた。
萌黄色の茎 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
こうして、現実の敗北と架空な戦勝との不思議なまとい合せのまま時が経つうちに、その矛盾の間から、深刻な社会問題が生れて来た。
私たちの建設 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
賭博者、ピストル丈を商売道具にする男、単純な無頼漢、彼等にまつわる貧困の方が、まだまだ私の類よりは光明を持っている様である。
職工と微笑 (新字新仮名) / 松永延造(著)
戸をあけてうちへ入らうとすると、闇の中から、あはれな細い啼聲なきごゑを立てゝ、雨にビシヨ/\濡れた飼猫の三毛がしきり人可懷ひとなつかしさうにからまつて來る。
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
私がのっそりと突立つッたったすそへ、女の脊筋せすじまつわったようになって、右に左に、肩をくねると、居勝手いがってが悪く、白い指がちらちら乱れる。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「これこれ、樹の上のお猿さん、もがいた所でこの大木へ、がんじがらみになっているおまえが、どうもなるまい、見ぐるしいぞ」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
斷り切れずいふがまゝにしたが、扨てこの後で釵には、坊主が口中の惡臭がまつはりついてしまつたので、紫玉は瀧壺に投捨てた。
あごの下も手ぬくめマッフのようになり、その上側はばらばらの毛であるが下の方はフェルトのようにかがり合っている。
「ございますの。……ですけれど、まとまりました一冊本ではありません……あの、雑誌の中に交って出ていますのでして。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
橋桁はしけたっこった土橋、水がれて河床の浮きあがった小川や、畦道あぜみちは霜に崩れて、下駄の歯にらんでひどく歩きにくかった。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
雨の洩り傍題ハウダイなのを、語の上だけの興味で、るにカラめたのである。言ひ方を替へて説くと、春雨の洩ることが結局家をつてゐる訣だ。
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
一猴過って海に陥るを救わんとて他の一猴その身にからもうた縄を投げたが短くて及ばず、水夫が長い縄を投げると今落ちた猴たちまちこれを執え引き揚げられた。
第一に押收されたのは一くゝりの衣類その中には古帽子安靴粗いカシミアの穿き古したズボンなぞあつた。
無法な火葬 (旧字旧仮名) / 小泉八雲(著)
あの驚くべき伝奇的なつながりを明らかにしておきたいと思う。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
つまり、クリヴォフ夫人が壇上のどの点で刺され、そうしてまた、どういう経路を経て墜落した——かという二つのつながりを、もはや知り得べくもないのだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
この鏈頸より下をめぐりてその身のあらはれしところをくこと五囘いつまきに及べり —九〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
抱いて通ったのか、もつれて飛んだのか、まるでうつつで、ぐたりと肩にっかかったまま、そうでしょう……引息をほっと深く、木戸口で
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
盲目にその運命に従うとうよりは、むしひややかにその運命を批判した。熱い主観の情と冷めたい客観の批判とがり合せた糸のように固く結び着けられて、一種異様の心の状態を呈した。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)