“結髪”のいろいろな読み方と例文
旧字:結髮
読み方割合
むすびがみ28.6%
けっぱつ23.8%
いいなずけ9.5%
いひなづけ9.5%
かみ9.5%
シイニョン9.5%
すきあげ4.8%
たぶさ4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
でっぷりふとり、頭を結髪むすびがみにして、細かい飛白かすり単衣ひとえに、黒鵞絨くろびろうどの帯を前にしめ、白縮緬のふんどしを長くしめ、鼠甲斐絹ねずみがいきの脚絆に、白足袋麻裏草履という姿なりですから
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
然らばフェノロサがこの穿鑿せんさくに関して最も主要なる手掛てがかりとなせしものは何ぞや。そは唯画中の人物を見てその結髪けっぱつの形状によりしのみ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「許し玉へ、少佐しょうさの君。われにはまだ結髪いいなずけの妻といふものなし。」「さなりや。我言わがことをあしう思ひとり玉ふな。イイダの君を、われ一個人にとりてはかくおもひぬ。」
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
はかないの上なしなり、思へば男は結髪いひなづけの妻ある身、いやとても應とても浮世の義理をおもひ斷つほどのこと此人此身にして叶ふべしや
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
結髪かみは町家だが、どうしたって居酒屋の亭主には見えない。陽やけがして嫌味にテカリ、砂っぽこりで磨きあげた陸尺面ろくしゃくづら。店の名も『かごや』というのでも素性が知れる。
男の結髪シイニョンに挿した貝の櫛、サアロンと呼ぶその腰布、ヴェテという着物、なかにはベルトつきの悪くモダンな洋式上衣や、理髪師の仕事服を一着に及んでいるはいからなのもある。
もし旦那……内儀かみさんでしょうが、結髪すきあげに手織木綿の単衣ひとえものに、前掛細帯でげすが、一寸ちょっと品のい女で……貴方あなた彼処あすこに糸をくって、こんな事をして居るのは女房の妹でしょう、好くて居る
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)