“細々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こまごま71.4%
こま/″\14.9%
ほそぼそ6.9%
ほそ/″\3.4%
こまこま1.7%
こま/\0.6%
さいさい0.6%
ほそ/\0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
七兵衛は、細々こまごまと申し含めるようなことを言って、与八をけむに捲きながら、以前の裏の戸を押開けて、外の闇に消えてしまいました。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
細々こま/″\しい臺所だいどころ道具だうぐやうなものはまでもあるまい、ふるいのでければとふので、小人數こにんず必要ひつえうだけ一通ひととほそろえておくつてた。其上そのうへ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
岡田おかだは、そうこたえて、自分じぶんもそこの地上ちじょういているはなをとめました。すると、どこかで、細々ほそぼそむしこえがしたのです。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
……みづなかからともなく、そらからともなく、かすか細々ほそ/″\としたえるやうな、わかをんなこゑで、出家しゆつけんだ、とひます。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たなに翻訳小説や詩集のようなものが詰まっていた。細々こまこました骨董品こっとうひんも並べてあった。庸三は花園をひかえた六畳の縁先きへ出て、額なんか見ていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼女は用心深く彼の視線をそらしつゝ何気ない世間話の中へ彼女の従姉いとこの不幸な結婚の話を細々こま/\と織り込んでいつた。
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
ことばはしばし絶えぬ。両人ふたりはうっとりとしてただ相笑あいえめるのみ。梅の細々さいさいとして両人ふたり火桶ひおけを擁して相対あいむかえるあたりをめぐる。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
親子おやこもしくは夫婦ふうふ僅少わづか手内職てないしよくむせぶもつらき細々ほそ/\けむりを立てゝ世が世であらばのたんはつそろ旧時きうじの作者が一場いつぢやうのヤマとする所にそろひしも今時こんじは小説演劇を
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)