“紫苑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しおん78.8%
しをん21.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
几帳のぎぬが一枚上へ掲げられてあって、紫苑しおん色のはなやかな上に淡黄うすきの厚織物らしいのの重なった袖口そでぐちがそこから見えた。
源氏物語:52 東屋 (新字新仮名) / 紫式部(著)
押入なんかにしまっておくより、昼間はちょっと秋草に預けて、花野をあるく姿を見ようと思いますとね、萩もすすきも寝てしまう、紫苑しおんは弱し。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
にごれるみづいろへて極彩色ごくさいしき金屏風きんびやうぶわたるがごとく、秋草模樣あきくさもやうつゆそでは、たか紫苑しをんこずゑりて、おどろてふとともにたゞよへり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
犬芥いぬがらし、「約百ヨブなみだ」、紫苑しをん、どんなに血のれる心よりも、おまへたちのはうがわたしはすきだ。ほろんだ花よ、むかしの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)