“紛々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふんぷん78.9%
ふん/\9.9%
ごたごた4.2%
ごた/″\1.4%
ごちゃごちゃ1.4%
ふんふん1.4%
ぷんぷん1.4%
ぷん/\1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
群衆の感情が沸き立って女の頭のことを言い、足のことを言い、それは紛々ふんぷんとして狂人のようであったが、孫は独り考えこんでいた。
阿宝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
はじめに寺などへ群居よりあひて狂言をさだめてのち、それ/\の役を定む。此群居よりあひ議論ぎろん紛々ふん/\として一度にてはたしたる㕝なし。
長火鉢のそば徒然ぽつねんとしていると、半生はんせいの悔しかった事、悲しかった事、乃至ないし嬉しかった事が、玩具おもちゃのカレードスコープを見るように、紛々ごたごたと目まぐるしく心の上面うわつらを過ぎて行く。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「放つて置くが宜い。俺はお上の御用を勤めて居りや宜いんだ。お町が可哀想だと思つて乘り出したが、——入費はかさんでも苦しうない——てな事を言ふ武家の紛々ごた/″\なんかに首を突つ込むのは嫌だ」
の葉の騒ぐのとは思いながら、澄んだ耳には、聴き覚えのある皺嗄しゃがれた声や、快活な高声たかごえや、低い繊弱かぼそい声が紛々ごちゃごちゃと絡み合って、何やらしきりにあわただしく話しているように思われる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
いばらの実は又しきりに飛ぶ、記念かたみきぬは左右より、衣紋えもんがはら/\と寄つてはけ、ほぐれてはむすぼれ、あたかも糸の乱るゝやう、翼裂けて天女てんにょころも紛々ふんふんとして大空よりるばかり、其の胸のる時や
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
八五郎はまだ紛々ぷんぷんとしております。癇癪のやり場に困っているのでしょう。畳ざわりも荒々しく、柱をたたいたり、げんこを振りまわしたり、少しもジッとしておりません。
八五郎はまだ紛々ぷん/\として居ります。