“箱庭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はこには80.0%
はこにわ20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
物ぐるほしけれど箱庭はこにはに作りたるいしひとつ水のおもにそと取落とりおとせば、さゞ波すこし分れて是れにぞ月のかげたゞよひぬ、くはかなき事して見せつれば甥なる子の小さきが真似て
月の夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
近所きんじよで、ちひさなが、おもちやに小庭こにはにこしらへた、箱庭はこにはのやうな築山つきやまがある。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
南蛮寺なんばんじ屋根やねてんおかたい、さらに四方の山川まで、たちまち箱庭はこにわを見るように、すぐ目の下へ展開てんかいされて、それが、ゆるい渦巻うずまきのように巻いてながれる……
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まもなく、かれはゆうべの夢を実行して、京から大阪おおさか、大阪から奈良ならの空へと遊びまわっている。町も村も橋も河も、まるで箱庭はこにわのような下界げかいの地面がみるみるながれめぐってゆく。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)