“窓庇”の読み方と例文
読み方割合
まどびさし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼はげた一閑張いつかんばりの小机を、竹垣ごしに狭い通りに向いた窓際まどぎはゑた。その低い、くさつて白くかびの生えた窓庇まどびさしとすれ/\に、育ちのわるい梧桐あをぎりがひよろ/\と植つてゐる。
哀しき父 (新字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
ひる時分には陽に溶けた屋根の雪が窓庇まどびさしを掠めてドツツツと地上に滑り落ちた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
彼は雨戸を開けて、ビシヨ/\の寝衣を窓庇まどびさしくぎに下げて、それから洗面器を出さうとして押入れの唐紙からかみを開けた。見なれた洗面器の中のうがひのコップや、石鹸箱シャボンばこや、歯磨の袋が目に入つた。
哀しき父 (新字旧仮名) / 葛西善蔵(著)