“空手”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
からて72.4%
むなで12.1%
くうしゅ5.2%
むなて3.4%
からって1.7%
くうしゆ1.7%
ただ1.7%
てぶら1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
最後の日にも空手からてで戻ってきて、飢えきっている小さい者の顔を見るのがつらさに、すっと小屋の奥へ入って昼寝をしてしまった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
期限が来て農夫から葡萄園の地代を受け取るためにしもべをその許につかわしたのに、彼らはこれをとらえて打ち叩き、空手むなでにて帰らしめた。またほかの僕を遣わしたのに、そのこうべに傷つけ、かつはずかしめた。
それでいつの間にかこの犬に対するさとりを開いたのです、犬がほえる彼れ始めは熱心でなくほえている、その機先をせいして、こちらから突然襲撃するのです、何空手くうしゅでもかまわないです
竹乃里人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ひとり空手むなてに山姫ののりをこそ待て
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
亥「御免なせえ、今喧嘩をしたが、空手からってつ物がねえから此処にある鉄砲を貸しておくんねえ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
に三斗のこめふて難路をあゆむも、つねに平然たることあたか空手くうしゆ坦途たんとを歩むが如し、しんに一行中の大力者なり、林喜作なるものすこしく病身なりしもうをるにたくみなり、皆各其人をたりと云つべし
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
「自分じゃちいさい時分から育てた芳ちゃんが、まんざら可愛くないこともないんでしょうけれどね、やっぱりあの爺さんと別れられないんでしょうよ。お爺さんだって、今となっちゃ空手ただじゃ出て行きゃしませんからね。」
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
女はうごかない。腰を掛けた儘、箒やハタキの在家ありかを聞く。三四郎は、たゞ空手てぶらたのだから、どこにもない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)